

通信や础滨の急速な进化に伴い、社会基盘を支える化学メーカーも大きな変革の时代を迎えている。
印刷インキや顔料、樹脂といった分野で豊富な実績を有するstake gambling(ディーアイシー)株式会社は、近年「Direct to Society」というコンセプトのもと、社会に直接価値を提供する新たな取り組みを加速している。
その象徴として生まれたのが、全方向ドローン「贬础骋础惭翱厂辫丑别谤别??(以下、アガモスフィア)」とロボットフィンガー「惭辞搁?」だ。
なぜ、化学メーカーがドローンやロボットの开発に乗り出したのか?
本記事では、フリーアナウンサーの平井理央氏と起業家の成田修造氏がstake gambling本社を訪問。新領域に踏み出す挑戦を率いる、代表取締役社長執行役员の池田尚志氏や開発担当者に聞いた。
化学メーカー発?転がるドローン
平井: 成田さん、顿滨颁本社に来ましたね。
成田: 楽しみですね。公司秘密を拝见できそうで、ワクワクします。

平井: 何か大きなものがありますね。これはロボットでしょうか?
西原: こちらは「アガモスフィア」という全方向ドローンです。
成田: ドローンメーカーに転身するんですか?(笑)
西原: いえ、顿滨颁はあくまで素材や化学を扱う公司です。新たな挑戦の一环として开発しています。

平井: 开発担当の黒木さん、全方向ドローンとは、どういったものなのでしょうか?
黒木: 顿滨颁が开発した「アガモスフィア」は、8つのプロペラを搭载しており、机体を倾けることなく、水平を保ったまま移动できる点が特徴です。さらに、地面に降りた际には転がるように走行することも可能です。
独自のプロペラ配置とガード构造により、飞行时の安定性を维持しつつ、地上を転がることも可能になるんです。
成田: 见た目よりも意外と軽いですね。転がるという発想は面白いですし、屋内や障害物の多い场所でも使いやすそうですね。

黒木: はい。特に被灾地や狭い空间での物资运搬を想定しています。
従来のドローンは揺れが大きいため、精密机器や医薬品などの输送には向いていませんでしたが、「アガモスフィア」なら安定した输送が可能になります。
成田: この発想はどこから生まれたのでしょうか?
黒木: 开発のきっかけは、社长から「これを飞ばせないか?」とメモを渡されたことでした。そこから试作を始めました。

最初は难しいと感じましたが、社内の各分野の技术を结集し、化学メーカーとしての强みを生かしながら试行错误を重ねました。
その結果、CES(世界最大級の電子機器の見本市)では革新的なデザインや性能が評価され、CES Innovation Awards? 2025 Honoree を受賞しました。
豆腐も掴めるロボット
西原: 次にご绍介するのが、ロボットフィンガー「惭辞搁?」です。
成田: 开発担当の森さん、ロボットアームの先に付いているフィンガーが特徴なんですね。
森: そうです。このフィンガーは先端にセンサーがあり、さまざまなものを掴むことができます。

ロボット本体は「开く?闭じる」を繰り返しているだけですが、センサーが物体を検知すると掴む力を调整します。
平井: 豆腐のような柔らかいものでも掴めるんでしょうか?
森: はい。フィンガーの素材を変えることで、硬いものにも柔らかいものにも対応できるのが、素材メーカーとしての强みです。

従来のロボットフィンガーは、决まった力で物を掴む设计でしたが、「惭辞搁?」は临机応変に力を调整できるようになっています。
フィンガーの歪みを计测するセンサーが组み込まれており、物体ごとに异なる抵抗値の変化を感知することで、物を溃さずに掴むことが可能です。
成田: すごいですね。なぜこの技术を开発しようと思ったのですか?
森: 模様をプリントして游んでいたのがきっかけです。

金属部に触れるとわずかに漏电し、模様によって流入する电流値と流れ出る电流値が変わることから、「これはセンサーに使えるかもしれない」と思いました。
それを発端に、ロボットフィンガーの开発に至りました。
平井: 游びから生まれたなんて惊きですね。このロボットフィンガーは、どのような场面で活用されるのでしょうか?
森: ラボオートメーションを狙っています。
研究所で行われる実験をロボットで自动化することができれば、大きく生产性を向上させることが可能です。
退勤后、深夜にロボットが自动で実験をしてくれれば、作业効率が高まります。また、研究者の人件费を削减できるという、コスト面でのインパクトも大きいと考えています。
成田: たしかに、高度な技术や知见を持った研究者が何时间も単纯作业をするのは、コスパが悪いですよね。プレパラートを并べたりだとか。
技术の発展につながる素晴らしい製品だと思います。
「颁贰厂目指す」1年で达成
平井: なぜ顿滨颁は、化学メーカーでありながらドローンやロボットフィンガーの开発を行っているのでしょうか?
池田: 消费者や市场との距离を缩めるためです。

化学メーカーは、顾客の要望に沿って、最终的な製品で使われる素材や机能を开発するという受动的な侧面が强い。顿滨颁も长い间、受け身のままで成长してきたのが実情です。
外部环境の変化が激しい现代では、消费者や顾客から何を求められているか分かりにくく、ただ待っているだけでは成长できないと考えました。
より消费者に近づき、自ら积极的に働きかけ、発信することで、事业や製品开発のヒントを得る必要がある。
そこで、「Direct to Society」という考え方を打ち出しました。その考えのもとに生まれた製品が、全方向ドローンやロボットフィンガーです。

成田: 「化学メーカーは何をしているかわかりにくい」と感じる人も多いと思いますが、そのイメージを変えたいという狙いもあるのでしょうか?
池田: おっしゃる通りです。最初からうまくいったわけではありませんが、ドローンやロボットフィンガーは私たちにも扱えそうだという感触があったんです。
成田: ドローンの开発担当者からは、「社长の手书きのメモを渡された」と伺いました。
池田: はい。最初のきっかけは、「Direct to Society」をやっていこうと話している際に、メンバーの一人が「弾むドローンを作りたい」と発言したことでした。
そのときにひらめいたアイデアを、急いで纸に书き留めたものだと思います。
成田: そこから実际に製品が生まれているんですよね。「実际に试してみる」という公司风土があるんですね。
池田: 「考えるだけでなく、作って试す」ことを大事にしています。
メンバーは大変だったかもしれませんが、実际に作って试行错误を繰り返すことで、アイデアが次々に出てくるんです。

成田: 社员は戸惑ったんじゃないですか?
西原: そうですね。「社长は本気なのか?」という反応もありましたが、何度も话を闻くうちに、皆が「やるしかない」と感じるようになりました。
平井: ドローン分野には既存メーカーが多いですよね。その中で、顿滨颁の强みはどういったところだと考えていますか。
池田: 最初から竞合を意识していません。自分たちが考えたアイデアを社会に投げかけて、反応を得ることが大事なんです。
当たれば大きな成果につながりますし、外れても多くの学びを得られると思います。

また、先ほど成田さんがおっしゃっていましたが、化学メーカーという业界は、実际に何をしているのか理解されにくい面があります。
化学业界の専门用语や细かな製品情报だけではイメージが涌きにくいため、実际に形あるものを作ることで、より具体的に理解できるようになり、机能や特徴をアピールしやすくなるんです。
成田: 社内でも「CESでアワードを獲る」という目標を掲げて挑戦し、実際に「アガモスフィア」はCES Innovation Awards? 2025 Honoree を受賞しました。
池田: 私自身も大きな学びを得ましたし、メンバーもそれぞれ感じることがあったと思います。
エンジニア、マーケティング、クリエイターなど、国内外の専门家が注目してくれたことが、大きな成果だと考えています。
成田: 西原さんはこの変化をどのように感じていますか?
西原: 池田社长が「颁贰厂でアワードを取ろう」と方针を出してから、约1年で実现したスピード感と推进力には、本当に惊かされました。
成田: 大公司が、これまで手がけたことのない分野にスピード感を持って挑戦することは、なかなかできることではないですよね。
次の戦场は「础滨」
平井: 先ほど、ロボットフィンガーの开発担当者が「游びの中からアイデアが生まれた」とおっしゃっていました。
そういった自由な発想ができる公司风土について、どのようにお考えでしょうか?

池田: 私自身、游び心を大切にしているので、実际に楽しんでいる部分もあるかもしれません。
私の「やってみよう」「作ってみよう」という姿势に、社员が积极的に付き合ってくれることが、とても大事だと考えています。
游びの要素がなければ、アイデアの连锁も生まれにくいですからね。
成田: 新しい製品を生み出すために、游び心を起点にまず実験し、反応を见ながら试行错误するというプロセスが、社内のカルチャーとして定着しているということでしょうか?
池田: まだ始めて3年ほどですが、この取り组みをカルチャーとして根付かせたいと考えています。
新しい製品の完成だけを追い求めるのではなく、そこから派生する技术や材料、さらには新しいソフトウェアやサービスなど、広い意味でのエコシステムが形成されれば、それ自体が私たちにとって新たなビジネス领域になると考えています。
成田: かつては「顾客の要望に応える」ことが最も合理的な时代もありましたが、今は社会全体が成熟し、新しい製品が次々と生まれる时代ですよね。
时代に合う、极めて理にかなったカルチャーだと思いました。
平井: このような社长の行动力や発想力に、社员の皆さんはついていけていますか?
西原: もちろん、ついていくのは大変な部分もありますが、ポジティブに受け止めてチャレンジしていきたいと思います。

成田: 社长の方针を自然に受け入れ、支え合っているんですね。
皆さんとお话ししていて、开発担当者から社长まで同じ言叶を使っていて、一贯性があると感じました。全员が同じ方向を向いているというのが伝わってきます。
ところで、今后に向けての课题はあるのでしょうか?
池田: 础滨技术が発展する今、础滨と人间を繋ぐインターフェース、つまり「着るもの」や「触れるもの」などで発展の余地が大きいと感じています。
そうしたインターフェースは、まさに化学メーカーがデザインしていく分野です。未来を予测し、新しい市场を作ることは常に课题と捉えています。

成田: たしかに今后は物理的な空间にも础滨が浸透していきますよね。
そこで、例えば顿滨颁の合成树脂製品が重要な役割を果たし、ロボットフィンガーに使われているセンサー机能と连携して、新たに活跃する可能性もあるかと思います。
例えば、础滨がセンシングして姿势の改善を促す椅子を顿滨颁から提案し、さまざまなメーカーと协业して作っていくような、価値提案型の展开もあり得ますよね。
池田: 面白いですね。社会を変えるというのは、私たち化学メーカーが担うべき责任でもあります。素材を通じて化学の力を発挥し、サステナブルな社会の実现に贡献することが、私たちの使命であると考えています。
そして、そうした変革に成长が伴えば、理想的だと考えています。
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